長期投資は運用者と投資家の二人三脚。

長期投資は運用者だけの能力ではどうにもならない

投資は自分で調べてやっていくパターンとプロに任せるパターンがあります。

その中で任せていいプロの金融機関はどこなの?というのは非常に興味深いところではなでしょうか?

確かにプロに投資を任せる場合、プロの実力というのはとても気になるところではあると思いますが、実は運用者の腕だけではどうにもならなかったりします。

預けてる側としては運用者の腕でなんとかしろよ!なんて思うかもしれませんが、これは私が運用者ではなく、その運用者にお金を預ける側としてもう15年以上になるからこそ理解できることはたくさんあります。

そりゃどういうことだ?と思うかもしれませんが、簡単にいうと二人三脚。
運用者側が責務を果たし、また投資家側も責務を果たすことでリターンを共に得られるということなのです。

市場が暴落した時にお金を引き上げるとどうなるか?

先日のブログにも書いたのですが、今回のように市場が暴落することは数年に一度といった具合に度々起こります。

今回のコロナウィルスの件がうまく収まったとしても、また今後絶対に別の出来事によってどこかで暴落はします。

そしてとても優秀なファンドマネージャーがいたとします。
しかしこのファンドマネージャーが成績を出せるかどうかは投資家側の要因もとても大きいのです。

例えば今回のような暴落がまた起きたとして、株価が軒並み下落し、とても安い価格になったとします。

すると優秀なファンドマネージャーはどう考えるかというと、この下落のタイミングこそ買い向かうための準備をしていくわけです。とても優秀な判断だと思います。

しかし、ここで投資家側がビビってみんな資金を引き上げるという行動を取るとどうなるでしょう?
そのファンドマネージャーがいくら優秀であっても、換金に応えなければいけない為に用意したお金を返さなければいけない。最悪は下落している時点で売りたくもない株まで売却して返金のお金を作らないといけなくなれば、けっきょく優秀なファンドマネージャーであっても暴落時に株を売るという行動に出ないといけなくなるのです。これは最悪です。

そして、その下落を見た投資家がさらに返金を求めることによって、負の連鎖が始まっていくのです。

こうなるのは投資家側もファンドマネージャー側だって望んでいないはずなのにそうなってしまうのです。

暴落時に投資家側がお金を入れるとどうなるか?

もし、こういった暴落時にお金が投資家から追加されるとどうなるでしょうか?

優秀なファンドマネージャーはこう言う時のために入念にリサーチをしていますから、いよいよ買おうと思ったらさらにお金が入ってくるのです。市場は暴落して投げ売りが始まっている状況ですから、言ってみれば株はどこもバーゲンセールで売られているのです。こんなチャンスにさらにお金が入るのですから、ファンドマネージャーからしたらありがたくてしょうがないはずです。

安い時に買っていれば当たり前ですがあとは十分ですよね(笑)

それが大暴落時に優秀なファンドでは起こっていました。
一般的なファンドは資金が流出しますが、逆に資金が流入するファンドは強い。

投資家側がバカだったら、どんな優秀なファンドマネージャーでも成果を上げるのは不可能だと思います。

投資家の責任というのは何かというと

暴落時もいつもと変わらずお金を入れ続けるということです。

これをプロにお金を預ける投資家は忘れてはいけません。

資産形成のコツは始めたら止めないことです。
コツコツ一定金額続けることが地味ですが、一番着実なのではないでしょうか?

日本の投資信託の成績というのは全体を見ると芳しくありません。
まともにやってるところなんて1%程度、金融庁からも指摘を受けるほどです。
確かにひどい金融機関も多々あると思いますが、それでも志を持ったファンドマネージャーはほんとはもっとたくさんいると思っています。しかし投資家側を教育できてなかったことに、この成績がよくない要因があると思うのです。

みんな下落する時に資産を引き上げるような投資家ばかりを顧客にしてしまったこと、そしてその投資家に正しい投資とは?という教育ができていなかったことが、大きな負の遺産にしてしまったんだと私は思っています。

この結果を見た多くの日本人に、投資とは危ないもの、お金を減らすものと認識させてしまったんだと思うんですよね。

日本には家計金融資産は900兆円ほど、預貯金として眠っていると言われています。
これを生かすも殺すも、自分の首を締めるも自分の行動次第です。

こういう時にこそ、しっかり一人一人が考え、自立した日本人が1人でも増えればいいなと私は心から思っています。